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特集 細菌の進化から考える抗菌薬耐性
4.β-ラクタム耐性 -加水分解酵素β-ラクタマーゼの進化-
β-lactam resistance -Evolution of β-lactamase as a hydrolysis enzyme-
石井良和
1
Ishii Yoshikazu
1
1東邦大学医学部微生物・感染症学講座 教授
キーワード:
β-lactamase
,
Hydrolysis enzyme
,
Evolution
,
Drug resistance
Keyword:
β-lactamase
,
Hydrolysis enzyme
,
Evolution
,
Drug resistance
pp.56-63
発行日 2013年12月25日
Published Date 2013/12/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201401056
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β-ラクタマーゼはグラム陰性菌における主要なβ-ラクタム系薬に対する耐性因子である。β-ラクタマーゼの起源はβ-ラクタム系薬の作用標的である細胞壁合成酵素であると考えられている。β-ラクタマーゼには分解できるβ-ラクタム系薬と分解できないβ-ラクタマーゼが存在する。酵素の進化は分解できなかった基質を分解できるようになることであると考えられる。β-ラクタマーゼの進化戦略は,この基質特異性拡張に加えて,酵素の産生量向上によってももたらされてきた。さらに遺伝学的見地からβ-ラクタマーゼを見ると,酵素をコードする遺伝子の安定化も進化の要因のひとつと見ることができると考えられる。