Japanese
English
特集 化学療法剤のPK-PD理論 -応用と限界-
4.β-ラクタム剤
The application and the limit of PK-PD theory on β-lactam antibiotics
橋本章司
1
Hashimoto Shoji
1
1大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター臨床研究部 部長
キーワード:
PK-PD理論
,
β-ラクタム剤
,
頻回投与
,
長時間点滴
,
遊離型
Keyword:
PK-PD理論
,
β-ラクタム剤
,
頻回投与
,
長時間点滴
,
遊離型
pp.47-54
発行日 2013年10月25日
Published Date 2013/10/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201311047
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近年,感染症治療の効果を最大に高め,副反応や耐性菌発現を最小に抑制するために薬物動態学-薬力学(pharmacokinetics-pharmacodynamics:PK-PD)理論に基づいた抗菌薬の用量・投与法設計が行われている。しかし,より適切な投与のためには,宿主の感染臓器や合併症ごとの薬剤移行性と感染局所でのタンパク非結合の遊離型薬剤の濃度,宿主の免疫状態と標的細菌の耐性菌出現阻止濃度に応じた治療目標値などの評価も必要である。本稿では,わが国で初めてPK-PD理論に基づいた高用量投与が承認されたタゾバクタム/ピペラシリンと,現在までにもっともPK-PD解析が行われているメロペネムを中心に,β-ラクタム剤におけるPK-PD理論の応用と限界について述べる。