シリーズ最新医学講座―遺伝子診断 Application編
MRSA
伊藤 輝代
1
,
平松 啓一
1
Teruyo ITO
1
,
Keiichi HIRAMATSU
1
1順天堂大学医学部細菌学
キーワード:
MRSA
,
PBP2'
,
mecA
,
PCR
Keyword:
MRSA
,
PBP2'
,
mecA
,
PCR
pp.729-733
発行日 1996年6月15日
Published Date 1996/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902953
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はじめに
MRSA(methicillin-resistant Staphylococcus aur-eus)はβ―ラクタム系薬剤に耐性を示すのみならず,現在使用されているほとんどすべての化学療法剤に対して耐性を示す院内感染の原因菌である.MRSAフォーラムの報告1)によれば,平成5年度の調査では各施設から分離される黄色ブドウ球菌のうち,平均して約40%がMRSAである.その内訳は入院患者からの分離頻度が91%,外来患者からの分離頻度が9%であり,前年度に比べて外来患者からの分離頻度は約2倍に増加し市中への波及を示しているものの,依然として入院患者における分離頻度が高い.MRSAの遺伝子診断はこれまで多くの研究室により行われ,すでにDNA診断キットも市販されている.ここでは当教室で行っているPCR法を中心に解説する.
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