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特集 細菌の進化から考える抗菌薬耐性
7.アミノグリコシド耐性
Aminoglycoside resistance
和知野純一
1
,
荒川宜親
2
Wachino Jun-ichi
1
,
Arakawa Yoshichika
2
1名古屋大学大学院医学系研究科分子病原細菌学/耐性菌制御学分野 助教
2名古屋大学大学院医学系研究科分子病原細菌学/耐性菌制御学分野 教授
キーワード:
アミノグリコシド
,
アミノグリコシド修飾酵素
,
16S rRNAメチルトランスフェラーゼ
,
リボソーム
Keyword:
アミノグリコシド
,
アミノグリコシド修飾酵素
,
16S rRNAメチルトランスフェラーゼ
,
リボソーム
pp.80-89
発行日 2013年12月25日
Published Date 2013/12/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201401080
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アミノグリコシドは細菌の30Sリボソームに結合し,細菌の正常なタンパク合成を阻害する抗菌薬である。一方,細菌側もアミノグリコシドに抵抗性を付与する因子をすでに多数獲得しており,アミノグリコシド耐性因子は,グラム陽性,陰性菌を問わず拡散しているのが現状である。アミノグリコシド耐性機構としてもっとも種類が多く,よく知られているのが,アミノグリコシドを化学的に,修飾,不活化するアミノグリコシド修飾酵素である。アミノグリコシド修飾酵素はその反応機構の違いにより,アセチル化,リン酸化,アデニリル化に大別される。さらに,近年では16S rRNAメチルトランスフェラーゼと呼ばれ,30Sリボソーム中の16S rRNAをメチル化することでアミノグリコシド耐性を付与する新しい耐性機構が発見され,注目されている。アミノグリコシド耐性機構は排出機構や16S rRNAの点変異なども含め数多く解明されてきているが,本稿では,アミノグリコシド修飾酵素と16S rRNAメチルトランスフェラーゼに焦点を当てて紹介したい。