検査法の基礎理論 なぜこうなるの?
β-ラクタム系抗生物質とβ-ラクタマーゼ
五島 瑳智子
1
,
辻 明良
1
1東邦大学微生物
pp.464-471
発行日 1981年6月1日
Published Date 1981/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202285
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β-ラクタム(β-lactam)系薬剤は,化学構造中にβ-ラクタム環を持つ抗菌物質の総称で,現在ペニシリン系とセファロスポリン系がその主流である.これらの薬剤が作用すると,細菌細胞壁の合成を阻害するため,溶菌を起こして死滅する.薬剤の作用点が高等動物の細胞には存在しない細胞壁にあるため,宿主に対する毒性が弱く,我が国のみならず各国において広く感染症の治療に用いられ,抗菌剤の主位を占めている.
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