Japanese
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特集 化学療法剤のPK-PD理論 -応用と限界-
1.PK-PD理論と実際
Antimicrobial chemotherapy considering pharmacokinetic-pharmacodynamic parameters
藤村茂
1
,
渡辺彰
2
Fujimura Shigeru
1
,
Watanabe Akira
2
1東北薬科大学臨床感染症学教室 教授
2東北大学加齢医学研究所抗感染症薬開発研究部門 教授
キーワード:
PK-PD理論
,
抗菌化学療法
,
薬剤耐性
Keyword:
PK-PD理論
,
抗菌化学療法
,
薬剤耐性
pp.26-32
発行日 2013年10月25日
Published Date 2013/10/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201311026
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抗菌薬の適正使用は適正な使用量と,できるだけ短期間の投与により最良の臨床効果を得るだけでなく,副作用の軽減や薬剤耐性菌の出現抑制などが期待される。この適正使用はすべての医療機関で実施されることが重要であり,その実施にはPK-PD(薬物動態学-薬力学)理論の活用が不可欠である。細菌感染症に対し多数の抗菌薬を効率的に使い分けることが求められることから,各薬剤の特徴や抗菌力,地域におけるアンチバイオグラムの状況把握が適正使用の実践につながる。しかしながら,抗菌薬に関するPK-PD理論はすべてが血液中の薬物動態をベースに考えられており,感染部位として想定される組織への薬物移行性についての成績は少ない。今後,PK-PD理論は組織レベルで検討される必要がある。