Japanese
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特集 細菌の病原遺伝子の発現調節機構
8.細菌の走化性とその調節の分子機構
Molecular mechanism of bacterial chemotaxis and its regulation
山元季実子
1
,
西山宗一郎
2
,
川岸郁朗
3
Yamamoto-Tamura Kimiko
1
,
Nishiyama So-ichiro
2
,
Kawagishi Ikuro
3
1法政大学生命科学部生命機能学科細胞機能学研究室/独立行政法人農業環境技術研究所
2法政大学生命科学部生命機能学科細胞機能学研究室
3法政大学生命科学部生命機能学科細胞機能学研究室教授
キーワード:
走化性
,
病原性
,
べん毛
,
受容体
Keyword:
走化性
,
病原性
,
べん毛
,
受容体
pp.91-99
発行日 2012年12月25日
Published Date 2012/12/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201301091
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病原細菌は宿主への侵入・感染・病徴発現に適した環境を感知し,病原性因子の生産や,新たな宿主への伝搬に必要な状態へとみずからの生理機能を切り替える。二成分制御系はこのような環境シグナルの感知と応答のシステムで,運動性細菌の走化性においても中心的な役割を果たす。細菌は栄養物質・有害な物質を特異的な受容体で感知し,二成分制御系を介してそのシグナルをべん毛や線毛に伝え,より生存に適した場所へ移動できる。本稿ではコレラ菌を中心に,走化性応答のメカニズムと病原性やバイオフィルム形成とのかかわりについて概説する。