今月の主題 好中球をめぐる検査
好中球機能検査
運動・走化性
柴田 宣彦
1
,
福田 ヒロ子
2
Nobuhiko SHIBATA
1
,
Hiroko FUKUDA
2
1大阪府立成人病センター内科
2大阪府立成人病センター研究所第3部
キーワード:
運動型
,
運動速度
,
走化性
Keyword:
運動型
,
運動速度
,
走化性
pp.425-428
発行日 1994年4月15日
Published Date 1994/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901932
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好中球の運動能と走化能は,細胞レベルでの最も基本的な機能である.ここで紹介する好中球の機能を調べる方法は古くから行われ,現在も有用性の高い検査法である.
運動能の検査は千田らの方法に従って,個々の好中球の運動形態を観察し,4種の運動型に分類している.それぞれの運動型は一定の運動能を備えており,走化性・貪食能と密接な関連性を保っている.
走化性の検査のいくつかあるうちの2つについて解説する。(1)直接顕微鏡下で走化因子に向かって運動する好中球をAbbe描写器を用いて,記録し測定する方法であり,個々の好中球の詳細な観察が可能である.(2) Boydenチャンバー法はフィルター小孔の食細胞通過能で評価するものであり,細胞集団の運動を客観的に調べる方法である.これらの方法についてわれわれの経験を加味し,解説する.〔臨床検査38:425-428,1994〕
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