Japanese
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特集 細菌の病原遺伝子の発現調節機構
序 -病原因子発現における細菌の巧妙な対応-
Strategy of bacteria in virulence gene expression
光山正雄
1
Mitsuyama Masao
1
1京都大学大学院医学研究科微生物感染症学 教授
キーワード:
病原因子
,
遺伝子発現調節
,
二成分制御系
Keyword:
病原因子
,
遺伝子発現調節
,
二成分制御系
pp.22-24
発行日 2012年12月25日
Published Date 2012/12/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201301022
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病原細菌は非病原細菌にはみられない各種病原因子によって宿主への侵入・定着・増殖を可能にしている。その過程では,増殖した菌体由来成分による炎症の形成や,産生放出される多様な毒素タンパクの作用によって多彩な病態が形成される。細菌の病原因子はその遺伝子によって規定されるが,病原細菌は病原因子遺伝子を常に発現するのではなく,宿主体内/体外を見極め,無駄を省くと同時に,必要に応じた発現を指令する巧妙な仕組みを有している。細菌の遺伝子発現調節の機構は病原細菌学におけるもっともホットな研究領域であり,二成分制御系を中心とする分子機構の解明に大きな展開がみられる。本特集ではその理解を深めるべく,国内の第一人者に解説をお願いした。