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特集 細菌の病原遺伝子の発現調節機構
1.細菌の環境応答による遺伝子発現調節機構-二成分制御系を中心に(総論)-
Environmental signal sensing and regulation of gene expression in bacteria- Role of two component regulatory systems -
戸邉亨
1
Tobe Toru
1
1大阪大学大学院医学系研究科生体情報科学講座 教授
キーワード:
シグナル伝達
,
リン酸リレー
,
環境因子
,
転写制御
Keyword:
シグナル伝達
,
リン酸リレー
,
環境因子
,
転写制御
pp.26-32
発行日 2012年12月25日
Published Date 2012/12/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201301026
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細菌は多彩な環境に生育するが,その生活環の中でしばしば急激な環境の変化に遭遇する。これに対し細菌は素早く応答し,生理活性や増殖相を変化させて生存・適応している。環境の変化を感知し応答する制御系の中でも二成分制御系(TCS)は中心的な役割を果たしている。TCSは一般的に膜貫通タンパク質のセンサーと転写因子のレスポンスレギュレーターから構成され,リン酸化によりシグナルが伝達される。細菌はさまざまな環境因子の変化に応答する多数のTCSを保有しており,多様な環境変化に対応している。病原細菌の感染においても環境の変化に応答した遺伝子発現制御は重要であり,多くの病原性遺伝子がTCSにより制御発現されている。