Japanese
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特集 細菌の病原遺伝子の発現調節機構
3.病原性レンサ球菌の二成分制御系シグナル伝達機構
Role of two-component systems in the virulence of human pathogenic Streptococcus species
中田匡宣
1
,
川端重忠
2
Nakata Masanobu
1
,
Kawabata Shigetada
2
1大阪大学大学院歯学研究科口腔細菌学教室 准教授
2大阪大学大学院歯学研究科口腔細菌学教室 教授
キーワード:
肺炎球菌
,
A群レンサ球菌
,
二成分制御系
,
病原因子
,
コンピテンス
Keyword:
肺炎球菌
,
A群レンサ球菌
,
二成分制御系
,
病原因子
,
コンピテンス
pp.42-50
発行日 2012年12月25日
Published Date 2012/12/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201301042
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病原性レンサ球菌は十数対の二成分制御系を巧みにあやつり,感染部位における環境の感知と遺伝子の発現調節を行う。細菌性肺炎のおもな起因菌である肺炎球菌では多数の二成分制御系が病原性に関与している。それぞれの二成分制御系により発現調節される病原因子群も徐々に明らかになってきており,病原性につながる複雑なシグナル伝達経路が予想される。一方,咽頭炎や膿痂疹を惹起するA群レンサ球菌(溶血性レンサ球菌)でも病原性に関与する複数の二成分制御系が明らかになっている。A群レンサ球菌は,ときとして全身感染をともなう劇症化を惹き起こす。劇症化にかかわる要因のひとつとして特定の二成分制御系の変異が注目されている。