第Ⅲ部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
消化器疾患治療薬
西原利治
1
1高知大学医学部消化器内科学(第一内科)・教授
pp.427-430
発行日 2019年1月31日
Published Date 2019/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201913427
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2018年10月に「Clostridiodes(Clostridium)difficile感染症診療ガイドライン」が発刊された。これは,クロストリディウム・ディフィシルによる重篤な腸管感染症に新たな治療の均てん化を可能とする重要な取り組みである。それに併せて新たな機序や適応を持った薬剤も上市され,重篤なクロストリディウム・ディフィシル感染症診療に変革の到来が期待される年となった。炎症性腸疾患に対する新たな薬剤の製造承認や適応追加も続いている。B型肝炎ウイルスに対する新規核酸アナログやC型肝炎ウイルスに対するDAA(Direct Acting Antivirals)製剤の長期処方が可能となる一方,非代償性肝硬変やDAA製剤の前治療歴のあるC型肝炎ウイルスに有効で長期投与の可能な新規DAA製剤が上市されるなど,ウイルス肝炎の予後の改善に向けた取り組みも着々と進捗している。