第III部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
消化器癌治療薬
工藤敏啓
1
,
森正樹
2
1大阪大学大学院医学系研究科消化器癌先進化学療法開発学
2大阪大学大学院医学系研究科外科学講座消化器外科学・教授
pp.324-328
発行日 2016年1月31日
Published Date 2016/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201613324
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がんが死因の第一位となって久しいが,がん死亡全体に占める消化器癌の割合は50%以上に達しており,非常に重要な位置を占めていると考えられる。消化器癌治療に用いられる薬剤も,他の癌腫と同様,殺細胞性抗がん薬から分子標的治療薬の隆盛を経て,近年では免疫チェックポイントを標的とした薬剤や,がん幹細胞を標的とする薬剤など,開発の対象が非常に多岐にわたっている。本稿ではTAS-102(ロンサーフ)の市販後調査の結果,および免疫チェックポイント阻害剤のニボルマブとPembrolizumab,血管新生阻害薬のニンテダニブ,がん幹細胞への作用が期待されるBBI608など各種薬剤に関する最近の知見を述べる。