第 III 部 治療における最近の新薬の位置付け~新薬の広場~
■消化器疾患治療薬
上村朝輝
1
,
本間照
2
1済生会新潟第二病院1)名誉院長
2済生会新潟第二病院1)名誉院長 消化器内科部長
pp.462-467
発行日 2013年1月31日
Published Date 2013/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201313462
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臨床各分野において抗ヒトTNF(腫瘍壊死因子)αモノクローナル抗体などの生物学的製剤が治療に応用されているが,インフリキシマブについては関節リウマチ,クローン病その他に続いて2010年6月から潰瘍性大腸炎に対して適応が追加承認された。本稿ではその市販後の臨床的評価についても触れた。一方,消化器疾患分野における新薬としては2011年11月から保険適応が認められた,C型慢性肝炎に対するペグインターフェロンアルファー2bとリバビリンとの3剤併用療法としてプロテアーゼ阻害剤であるテラプレビルが最も注目される。前二者による2剤併用療法に比較して難治例に対する有効性が高いことが明らかにされつつある。ただ重篤な副作用も報告されており,使用には十分な観察が必要である。