第III部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
消化器疾患治療薬
赤澤祐子
1
,
宮明寿光
2
,
竹島史直
3
,
中尾一彦
4
1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科病理学・病理診断科・講師
2長崎大学大学院医歯薬学総合研究科消化器内科学
3長崎大学大学院医歯薬学総合研究科消化器内科学 准教授
4長崎大学大学院医歯薬学総合研究科消化器内科学 教授
pp.453-457
発行日 2017年1月31日
Published Date 2017/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201713453
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直接作用型抗ウイルス内服薬(DAAs)の登場により,これまで難治とされていたC型肝炎ウイルス(HCV)ゲノタイプ1 型に対するHCV 駆除率は大幅に改善した。現在,すべてのHCV ゲノタイプに対して強い抗ウイルス活性を持つ(pan-genotypic)DAAs の開発が進んでいる。近年,肝硬変の諸症状を制御,緩和する治療薬も登場した。カリウムイオン競合型の酸分泌阻害薬であるボノプラザンは,従来型プロトンポンプ阻害薬(PPI)抵抗性の難治性逆流性食道炎の治癒率,ヘリコバクター・ピロリの除菌率を明らかに改善した。炎症性腸疾患に対する新規治療薬の開発治験は着実に進んでおり,本稿ではその概要について紹介する。