第 III 部 治療における最近の新薬の位置付け~新薬の広場~
■婦人科癌治療薬
酒井瞳
1
,
勝俣範之
2
1日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科
2日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科 部長
pp.346-353
発行日 2013年1月31日
Published Date 2013/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201313346
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卵巣癌はサイレントキャンサーと称され,発見時には腹膜播種を伴って進行している場合が多い。しかし,化学療法感受性が高く,進行癌であっても,適切な治療により長期にわたって生活の質を維持できることも多い。近年,本邦では公知申請によりトポテカンが保険承認となった。また,パクリタキセルの毎週投与法も公知申請により承認となり,dose-dense TC(パクリタキセル+カルボプラチン)療法が選択できるようになった。分子標的薬の開発も進んでおり,血管新生阻害薬のベバシズマブやPARP(ポリADP〔アデノシン二リン酸〕リボースポリメラーゼ)阻害薬のOlaparibは,非常に期待されている薬剤である。