第 III 部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
婦人科癌治療薬
西野幸治
1
,
榎本隆之
2
1新潟大学医歯学総合病院産科婦人科
2新潟大学大学院医歯学総合研究科分子細胞医学専攻遺伝子制御講座 生殖器官制御分野(産科婦人科)・教授
pp.371-380
発行日 2014年1月31日
Published Date 2014/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201413371
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婦人科癌,とりわけ卵巣癌は固形癌の中でも比較的抗癌剤感受性が高い癌種であり,その集学的治療の中で薬物治療の果たす役割は大きい。薬物療法の中心はいわゆる「殺細胞性抗癌剤」であり,プラチナ系・タキサン系薬剤がその中心を成している。一方,分子標的治療薬については,呼吸器・消化器・乳線等,他領域の悪性腫瘍と比較して婦人科癌治療への導入は遅れていたが,昨今卵巣癌に対するベバシズマブが保険収載され,今後の卵巣癌に対する標準治療が様変わりを見せる可能性がある。本稿では,主に卵巣癌に対して期待されている分子標的治療薬と,既存の殺細胞性抗癌剤の予後改善を目指した新たな投与ルート・方法等について概説する。