今月の臨床 HRT—ベストテクニック
リスク症例におけるHRT
1.婦人科癌術後
落合 和徳
1
,
小林 重光
1
1東京慈恵会医科大学産婦人科
pp.1400-1402
発行日 1998年11月10日
Published Date 1998/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903458
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今日,ホルモン補充療法(HRT)またはエストロゲン補充療法(ERT)が広く一般に浸透,支持されるに至り,その対象は更年期女性のみならず,術後の婦人科癌患者にまで拡大されるようになった.しかしエストロゲンはその標的器官である婦人科臓器の発癌,とくに子宮体癌の発生・増殖と深くかかわっており,HRTを実施するにあたっては術後投与により生ずる二次発癌のriskについての知識をよく整理しておく必要がある.患者のもつ不安を取り除くことで治療の開始,継続が可能ならば,そのbenefitは大きく,骨粗鬆症,虚血性心疾患,外性器の萎縮などの予防のほか,後療法を側面から支え,QOLを向上させるといった点からもHRTは重要である.
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