第Ⅱ部 注目の新薬
「イブランス®カプセル25mg,同125mg」
増田紘子
2
,
鶴谷純司
2
2昭和大学医学部腫瘍内科・教授/昭和大学先端がん治療研究所・所長
pp.231-237
発行日 2019年1月31日
Published Date 2019/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201913231
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イブランス®カプセル(一般名:パルボシクリブ)は,サイクリン依存性キナーゼ(Cyclin Dependent Kinase:CDK)4および6に対して高い選択性を有する,世界で初めての CDK4/6 阻害剤である。 パルボシクリブは CDK4/6 とサイクリン D からなる複合体の活性を阻害することで,網膜芽細胞腫抑制因子(Rb)蛋白質のリン酸化を阻害し,細胞周期の進行を停止させることにより,腫瘍の増殖を抑制すると考えられている。本邦では2017年9月,「手術不能または再発乳癌」 を適応症として製造販売承認を取得した。ホルモン陽性乳がんにおいて有効な結果を示しており,抗がん剤と比較し,比較的副作用コントロールしやすい薬剤であるため,このタイプの乳がんにとって,CDK4/6阻害剤は待望の薬剤であった。現在新たなCDK4/6阻害剤も承認され,非常に期待される薬剤である。