特集 抗VEGF薬の最新情報
3 ラニビズマブ バイオシミラー(BS)
近藤 峰生
1
1三重大学大学院医学系研究科 臨床医学系講座 眼科学
キーワード:
バイオシミラー(BS)
,
ラニビズマブ
,
抗VEGF薬
,
加齢黄斑変性
,
同等/同質性
Keyword:
バイオシミラー(BS)
,
ラニビズマブ
,
抗VEGF薬
,
加齢黄斑変性
,
同等/同質性
pp.941-946
発行日 2022年10月5日
Published Date 2022/10/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002814
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現在,滲出型加齢黄斑変性(age-related macular degeneration:AMD),糖尿病黄斑浮腫(diabetic macular edema:DME),網膜静脈閉塞症(retinal vein occlusion:RVO)に伴う黄斑浮腫,病的近視に伴う脈絡膜新生血管(myopic choroidal neovascularization:mCNV)などに対して,抗血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)薬の硝子体内投与は中心的な治療となっている1)~4)。現在本邦で承認され,上述の網膜疾患に対して使用できる抗VEGF薬としては,ラニビズマブ(ルセンティスⓇ),アフリベルセプト(アイリーアⓇ),ブロルシズマブ(ベオビュⓇ),そして2022年5月に発売されたファリシマブ(バビースモⓇ)が挙げられる。これらの抗VEGF薬は,大規模臨床試験において良好な治療成績が得られていると同時に安全性も比較的高く,現在の眼科臨床においては必要不可欠なものとなっている。一方で抗VEGF薬の硝子体内注射は対症的な治療であるため,単回の投与で根治に至る症例は少なく,継続した治療が必要となる。また薬剤費が高額であるため,患者の経済的な負担が課題となっている。抗VEGF薬の費用対効果を分析した研究でも,年間で高額な薬剤費が必要であると算出されており5),患者の経済状況によって治療を断念せざるを得ない場合もあると考えられ,費用の軽減が望まれてきた6)。
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