連載 リスクマネジメント~院内での薬剤師の活動~(128)
B型肝炎再活性化リスクのある医薬品の適正使用に向けた取り組み~プレドニゾロンの長期使用によるリスク上昇患者への対策強化~
畦地穂
1
,
土生康司
2
,
辻井佳代
3
,
小林政彦
4
1神戸薬科大学医薬品情報学研究室
2神戸薬科大学医薬品情報学研究室・講師
3大阪赤十字病院薬剤部・薬物療法支援課長
4大阪赤十字病院薬剤部・薬剤部長
pp.661-665
発行日 2019年2月1日
Published Date 2019/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201902661
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B型肝炎ウイルス(HBV)キャリアや既往感染者へ免疫抑制または化学療法を開始する際に,HBVスクリーニングを実施することが推奨されている。HBV再活性化に注意を要する医薬品は多数あり,中でもステロイドは使用法や使用期間,使用診療科がさまざまであること,処方枚数が多くスクリーニング実施状況の随時調査が困難なことなどから,対策が不十分な状況にあった。米国消化器病学会(American Gastroenterological Association)ガイドラインのリスク分類では,ステロイドの投与日数が考慮されている。そこで,リスクの高いステロイド長期使用患者を簡便に抽出し,スクリーニング実施が確認しやすい環境整備を行ったので報告する。