特集2 上手な予測と現場ですぐできる予防策で快適な治療を実現しよう 先回り式抗がん薬副作用対策トリビア
症状別副作用対策
B型肝炎ウイルスの再活性化対策
楠本 茂
1
1名古屋市立大学病院血液・腫瘍内科
pp.248-254
発行日 2018年7月15日
Published Date 2018/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200286
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B型肝炎ウイルスの再活性化対策
B型肝炎ウイルス(Hepatitis B virus;HBV)の再活性化は、抗がん薬治療後の合併症として、一部の症例においては劇症肝炎にいたり、致死的な経過をたどることが報告されている。しかし、あらかじめHBV再活性化リスクグループを同定し、そのリスクに応じた対策を立てることで“予防可能”であることが検証されてきた。
日本肝臓学会のB型肝炎診療ガイドライン1に従い、スクリーニング検査としてのHBs抗原、HBc抗体、HBs抗体およびHBV DNA定量を実施し、その結果に基づいてリスクグループを同定することが、HBV再活性化対策として最も重要なステップである(Fig.1)。
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