第Ⅲ部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
抗認知症薬
中村祐
1
1香川大学医学部精神神経医学講座・教授
pp.662-666
発行日 2018年2月28日
Published Date 2018/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/1201813662
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わが国は,超高齢社会に突入しており,それに伴い認知症患者が急増している。認知症の大部分を占めるのは,アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症,AD)である。ADの主たる原因は加齢であり,現在,根本的な病態に対する治療の開発は難航している。しかし,AD における中核症状(記憶障害,見当識障害,失語,失行,実行機能障害)に対しての効果を持つ薬剤に関しては,ドネペジルに加えて抗認知症薬3剤(ガランタミン,リバスチグミン,メマンチン)が使用できるようになった。病態に則した治療薬は,早期治療にシフトし,アミロイドの病態にフォーカスされているのが現状であり,早期に病態の進行を止める,もしくは遅延させる薬剤が開発されることが熱望される。