第 III 部 治療における最近の新薬の位置付け~新薬の広場~
■認知症治療薬
中村祐
1
1香川大学医学部精神神経医学講座・教授
pp.484-491
発行日 2013年1月31日
Published Date 2013/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201313484
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2010年までは,抗認知症薬はコリンエステラーゼ阻害薬であるドネペジルのみであったが,2011年に新しく3剤(ガランタミン,リバスチグミン貼付剤,メマンチン)が製造承認を受けた。コリンエステラーゼ阻害薬は3剤となったが,薬物としての基本的な特徴や剤形が大きく異なることから,今後使い分けが進んで行くと思われる。また,NMDA(Nmethyl-D-aspartate)受容体拮抗剤であるメマンチンは,作用メカニズムが異なることからコリンエステラーゼ阻害薬と併用が可能である。今後,4剤を使い分け,併用することにより治療の幅が大きく広がることが期待される。一方,アルツハイマー型認知症の病態に基づいて開発されている薬剤では,現在のところ有効性が認められていない。