第 III 部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
消化器癌治療薬
裏川直樹
1
,
金光聖哲
1
,
掛地吉弘
2
1神戸大学大学院医学研究科外科学講座食道胃腸外科学分野
2神戸大学大学院医学研究科外科学講座食道胃腸外科学分野 教授
pp.365-373
発行日 2015年1月31日
Published Date 2015/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201513365
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近年の分子標的薬を中心とした新薬の開発により,消化器癌に対する化学療法の果たす役割は増しており,特に切除不能・再発癌に対しては予後の向上とQOL(quality of life)の改善を期待できる化学療法が推奨されている。また,従来の殺細胞性抗癌剤にも利便性や有効性を高めた新薬の開発も行われており,更なる化学療法の発展が期待される。今回の消化器癌領域における注目すべき薬剤として,胃癌に対するramucirumab(CYRAMZA® )と結腸・直腸癌に対するTAS-102(トリフルリジン・チピラシル塩酸塩:ロンサーフ® ),さらに膵癌におけるアルブミン結合パクリタキセル(アブラキサン® )を取り上げ,それらの最近の知見を述べる。