第Ⅲ部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
糖尿病治療薬
阿部孝洋
1
,
曽根博仁
2
1新潟大学大学院医歯学総合研究科血液・内分泌・代謝内科学分野
2新潟大学大学院医歯学総合研究科血液・内分泌・代謝内科学分野 教授
pp.587-594
発行日 2018年2月28日
Published Date 2018/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/1201813587
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わが国において,2009 年のDPP-4(dipeptidyl peptidase-4)阻害薬,2010 年のGLP-1(glucagon-like peptide 1)受容体作動薬,2014 年のSGLT2(sodium-glucose co-transporter 2)阻害薬と,次々に新規作用機序の糖尿病薬が登場した。そして,2015 年以降,SGLT2 阻害薬(EMPA-REG OUTCOME 試験,CANVAS 試験・CANVAS-R 試験)やGLP-1 受容体作動薬(LEADER 試験,SUSTAIN-6 試験)による心血管イベント予防効果が報告されるようになった。
今のところ,新たな作用機序の新薬が上市される予定はないが,上記のDPP-4 阻害薬・GLP-1 アナログ・SGLT2 阻害薬を含む配合薬は多数開発されている。
また,インスリンにおいては,従来のInslin Aspart(従来型インスリンアスパルト)の作用発現をさらに速めた超々速効型インスリン(Fast-Acting Inslin Aspart)が開発されている。