第Ⅲ部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
骨粗鬆症治療薬
竹内靖博
1
1虎の門病院内分泌センター・部長
pp.595-598
発行日 2018年2月28日
Published Date 2018/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/1201813595
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日本における最も新しい骨粗鬆症治療薬は,ゾレドロン酸5mg 点滴静注剤である。これはビスホスホネート薬であり,年1回投与で新規椎体骨折および非椎体骨折の発生を抑制することが国内外の臨床試験で実証されている。年1回投与ということで,内服継続が困難な患者においては利便性の高い薬剤として期待されている。一方,ビスホスホネートは一般的に腎毒性の高い薬剤であり,特に点滴静注では経口内服に比べ血中濃度が高くなるため,腎障害の著しい患者には禁忌とされている。また,特に初回投与時には発熱などの急性期反応を一過性に伴うことが多いため,十分な配慮が必要である。現在,新規の薬理作用を有する抗スクレロスチン抗体薬の開発が最終段階まで進んでおり,その臨床現場への登場が期待されている。