第Ⅲ部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
糖尿病治療薬
大場知穂
1
,
三好秀明
2
,
三好秀明
3
1北海道大学大学院医学研究科免疫・代謝内科学分野
2北海道大学大学院医学研究科免疫・代謝内科学分野・特任教授
3北海道大学病院糖尿病肥満病態治療学分野・特任教授
pp.370-377
発行日 2019年1月31日
Published Date 2019/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201913370
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本邦では2009年にDPP-4(dipeptidyl peptidase-4)阻害薬,2014年にSGLT2(sodium glucose cotransporter 2)阻害薬が登場し,2017年9月にその配合製剤が発売された。また,2010年にGLP-1(glucagon-like peptide-1)受容体作動薬の連日製剤が登場し,2015年には週1回製剤も登場した。近々発売予定のセマグルチドは,国内外の第・相試験において,従来のGLP-1受容体作動薬と比較し,HbA1c低下効果や,体重減少効果により有効性のあることが示されており,特に肥満2型糖尿病患者での効果が期待されている。また,従来の超速効型インスリンよりもさらに速効性のある,超々速効型インスリン製剤(Faster-acting insulin aspart)や,基礎インスリン製剤とGLP-1受容体作動薬の配合製剤が海外で承認を得ており,第・相試験の結果が報告されている。その他,注射製剤以外の非侵襲性インスリン製剤,イメグリミン,グルカゴン拮抗薬,グリコキナーゼ活性化薬などの開発が進められており,臨床現場への登場が期待される。