第 III 部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
糖尿病治療薬
卯木智
1
,
前川聡
2
1滋賀医科大学糖尿病・腎臓・神経内科講師
2滋賀医科大学糖尿病・腎臓・神経内科教授
pp.425-432
発行日 2014年1月31日
Published Date 2014/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201413425
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
SGLT(Na+ /glucose co-transporter)2阻害薬は,尿細管における尿糖の再吸収を抑制することによって,高血糖を是正する新しい機序の薬剤である。さらに,ブドウ糖を排泄することで,体重減少効果も期待できる。現在,多くの製薬企業が開発に取り組んでおり,現在発売申請中のものもある。リキシセナチドは,4種類目のGLP(glucagon-like peptide)-1受容体作動薬で,最大の特徴は基礎インスリンとの併用が可能なことである。2013年9月に発売された。GPR40作動薬は,GPR40を直接刺激することで,血糖依存性にインスリン分泌を促進する新規の薬剤であり,単独では低血糖の心配が少ない。現在第III相試験が進行中である。セチリスタット(Cetilistat)は,リパーゼ阻害薬で,従来から海外で使用されていたオルリスタット(Orlistat)と同等の体重減少効果があるが,副作用が軽減された。現在発売準備中である。