第III部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
糖尿病治療薬
阿武孝敏
1
,
加来浩平
2
1川崎医科大学総合内科学1 講師
2川崎医科大学総合内科学1 特任教授
pp.392-397
発行日 2016年1月31日
Published Date 2016/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201613392
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糖尿病の発症や病態の機構解明の進展によって,作用部位をターゲットとした分子標的薬の開発が進んでいる。DPP-4(dipeptidyl peptidase-4)阻害薬やSGLT2(sodiumglucose cotransporter 2)阻害薬などが製品化され,新規機序の糖尿病治療薬の臨床開発は,ここにきて一段落ついた感もある。インスリン製剤では,さらなる血糖改善や低血糖抑制を目的とした作用時間の異なる製剤が開発され,デバイスの進歩は新たなインスリン投与経路を可能にしようとしている。本稿では,臨床開発のレベルまで進んでいる新規糖尿病治療薬を中心に述べる。 また,病態の多様性に富む2型糖尿病治療において,創薬ターゲットは多岐にわたり,現行の承認基準をクリアすることは容易ではない。有効性評価のエンドポイントの見直しも,今後の新規治療薬の開発において重要と言える。