第Ⅲ部 治療における最近の新薬の位置付け〈薬効別〉~新薬の広場~
抗リウマチ薬
伊藤聡
1
1新潟県立リウマチセンター・副院長
pp.573-579
発行日 2018年2月28日
Published Date 2018/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/1201813573
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バリシチニブはヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬であり,トファシチニブに続き二番目のJAK 阻害薬として,本邦では2017 年に使用が開始された。サリルマブはトシリズマブに続く新規IL(interleukin)-6 受容体阻害剤であり,2017 年9 月に承認された。TNF(腫瘍壊死因子)阻害薬であるアダリムマブとのhead to head 試験で,バリシチニブは,MTX(メトトレキサート)併用下で非劣勢,サリルマブは,MTX 非併用下で有意に優れた有用性を示し,実臨床での成績が期待される。そのほか,JAK 阻害薬ではpeficitinib,upadacitinib,filgotinib が,さらに抗IL-6 抗体であるsirukumab,抗フラクタルカイン抗体であるE6011 が,現在治験進行中である。本稿では,これらの薬剤について解説する。