特集 アナフィラキシス
V.ヒスタミンとアナフィラキシー
田中智之
1
,
古田和幸
2
Satoshi Tanaka
1
,
Kazuyuki Furuta
2
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科生体応答制御学分野 教授
2岡山大学大学院医歯薬学総合研究科生体応答制御学分野
pp.1150-1154
発行日 2013年7月15日
Published Date 2013/7/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201308050
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ヒスタミンは強力な血管作動性アミンであり,即時型応答における主要なメディエーターとして注目を集めてきた。アナフィラキシーでは主に内皮細胞に発現するヒスタミンH1受容体を介する応答が重要であり,その下流で起こる一酸化窒素の産生やSrcの活性化が,血管拡張や血管透過性の亢進といった応答を惹起する。一方,近年内皮細胞におけるシグナル伝達の解析から,三量体型Gタンパク質であるGq/G11やAkt1,p21-activated kinaseといった新たな治療標的分子が見いだされている。