第 I 部 新薬創出を取り巻く環境変化
1.GCP・倫理指針そして臨床研究法の下での臨床研究実施のための体制整備
上田哲也
1
,
小栗岳
2
,
岸暁子
2
,
山崎力
3
1東京大学医学部附属病院臨床研究支援センター 副センター長/ 特任講師
2東京大学医学部附属病院臨床研究支援センター
3東京大学医学部附属病院臨床研究支援センター センター長/ 教授
pp.415-422
発行日 2018年2月28日
Published Date 2018/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/1201813415
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わが国の医学系研究は,観察研究と侵襲・介入研究に大別され,さらに後者のうち新薬や医療機器等の承認を目指す試験を,治験と呼ぶ。治験は医薬品・医療機器等法とGCP(Good Clinical Practice)の下で厳格に実施されるが,それ以外の侵襲・介入研究は人を対象とする医学系研究に関する倫理指針という「マナー」の下で実施されている。この倫理指針は,デュオバン事件などの研究不正を踏まえて2015 年より施行されたが,2018 年には臨床研究法および省令が施行され,臨床研究を取り巻く環境は大きく変化する。本稿では,この臨床研究法の下で臨床研究を実施するために,どのような教育を含めた体制整備が必要となるかについて取り上げる。