Special feature ハイリスクと闘う新生児医療の感染対策
■Risk & Control 2 新生児医療の伝播リスクと環境整備
❶NICU・GCUの環境整備
-―多職種・面会者とのかかわりを踏まえた伝播予防策
岡﨑 薫
1
1東京都立小児総合医療センター 新生児科 部長
pp.293-298
発行日 2021年10月15日
Published Date 2021/10/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000265
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新生児,特に早産児は,白血球の遊走能/貪食能の低下,低ガンマグロブリン血症,皮膚の未熟性などを持つ免疫弱者である。そのため,感染しやすく重症化するリスクも高い。特に生後4日以降の感染症は,遅発性感染であり,その原因は医療従事者や環境からの伝播による水平感染である。つまり,感染対策や環境整備が不十分であれば,医療従事者によって,児を敗血症や肺炎など重篤な感染症に貶めることになり得る。逆に,医療従事者が感染対策や環境整備を的確に行えば,遅発性感染を制御することができ,新生児集中治療室(NICU)・回復期治療室(GCU)に入院している新生児を感染症から守ることが可能となる。これらのハイリスク新生児を対象としている新生児医療従事者は,感染対策に高い意識を持って診療にあたることが重要である。
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