シリーズ最新医学講座 臨床現場における薬毒物検査の実際・5
確認分析法(GC・GC/MS)
斉藤 剛
1
,
武市 早苗
1
Takeshi SAITO
1
,
Sanae TAKEICHI
1
1東海大学医学部基盤診療学系法医学
キーワード:
ガスクロマトグラフィー
,
ガスクロマトグラフィー質量分析計
,
確認分析
Keyword:
ガスクロマトグラフィー
,
ガスクロマトグラフィー質量分析計
,
確認分析
pp.803-810
発行日 2005年7月15日
Published Date 2005/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100155
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はじめに
中毒起因物質の分析を行う場合,最初に短時間でスクリーニングできる簡易検査が大抵行われるが,簡易検査による薬毒物スクリーニングは,稀にその検査特有の偽陽性が生ずる場合があるため1次試験として位置づけられている.そこで1次試験の結果が陽性の場合,確認検査として目的化合物に合わせた抽出が行われた後に1次試験よりも感度の良い2次試験が行われる.なお,簡易検査による薬毒物スクリーニングに関しては成書1,2)を参考にしていただきたい.
確認検査は通常機器分析が行われるが,すべての検査に対して1次試験と2次試験を行う必要があるわけではない.例えばルーチン検査として行われるアルコール検査などは1次,2次試験を兼ねて初めから機器分析が行われるため,1度の検査で終了することもある.しかし,覚せい剤や麻薬など法規制されている薬物に関しては必ず1次試験としてイムノアッセイを行い,陽性を示した場合は確認検査として目的化合物毎に2次試験の機器分析を行うのが理想である.
確認検査で使用される機器はGC,GC-MS,高速液体クロマトグラフィー(HPLC),高速液体クロマトグラフィー/質量分析計(LC-MS)等様々であるが,これらの機器を用いて各化合物の同定と定量が行われる.
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