特集1 医師主導臨床試験への提言 ~今,何が求められているのか~
3.医師主導臨床試験にGCPを適用すべきか ~ICH-GCP策定の経緯を踏まえて~
平山佳伸
1
1立命館大学薬学部・教授
pp.61-64
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201501061
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臨床試験を実施する際に守るべき倫理はヘルシンキ宣言が基本であり,この内容を実施できるような国内の体制整備が行われてきているが,まだ,不足する部分もある状況である。医薬品の治験に適用されるGCP(Good Clinical Practice)は,治験の倫理性と信頼性確保を強化するために,国際化と法制化がなされたが,それに対応できる体制整備に産官学が集中的に人材,資金を投下して10年が経過している。医療機関における治験と臨床試験を比較すると,臨床試験で実施する範囲が計画・管理・実施と広範であり,実施数も多く,多種多様であるなどの違いがあり,治験整備以上の時間と資源の投入が必要である。臨床試験に関する教育・研修の徹底,実施支援体制の整備,臨床試験の内容に対応した信頼性確保方法の適用などの環境整備に並行しての法規制を考えるべきで,法規制のみでの対応は避けるべきである。