特集 Cardio Oncologyの現状と課題~専門医からプライマリケア医まで考えるべきこと~
5.併存疾患としてのがんと循環器疾患~プライマリケア医(総合診療医)としての今後の診療のあり方~
矢吹拓
1
1独立行政法人国立病院機構栃木医療センター内科・医長
pp.2609-2613
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018122609
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高齢化時代の重要な概念の一つが,Multimorbidity(多疾患併存)である。慢性疾患を複数抱えることで,多剤併用(Polypharmacy),入院や救急外来受診,死亡率増加など,さまざまな健康問題のリスクが高まる。また,治療内容が複雑化することで,病状理解や服薬アドヒアランスは低下し,患者の治療負担が増大する問題がある。循環器疾患とがんが併存する場合には,その疾患特性や患者・家族の治療期待・価値などに注意を向けながら,バランスの取れた診療を目指したい。専門医の診療にプライマリケア医も協働する形のShared careを提供し,チーム医療の包括的な評価と治療負担の軽減,チームアプローチが期待されている。