特集 公衆衛生今後の方向
衛生研究所今後のあり方
児玉 威
1
1神奈川県衛生研究所
pp.14-15
発行日 1963年1月15日
Published Date 1963/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202618
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地方衛生研究所今後のあり方については国の考えも地研側の考えもまだ固まっていない。従ってここで述べることは私個人の考えであることをおことわりしたい。1.地研の成り立ち昭和23年4月厚生省3局長の通達によって,従来各都道府県にあった細菌検査所・衛生試験所等を整理統合し,総括試験研究機関として発足したもので,現在46都道府県・5大市および川崎・仙台の総計53ヵ所に設置されている。2.地研の現状地研の内部組織や機能については地方衛生研究設置要綱に一応の型が示されているが,これをどのようなかたちで整備するかは,各地方自治体の自主性にゆだねられているため,その規模や内部組織は各地まちまちである。全国地研多年熱望の地研関係法案の制定を促進するには,これを裏付けるに足る確実な資料の作成が先決と思われるので,昭和33年度全国地研実態調査が行なわれ,その結果が多くの角度から分析された。3.地研の3大業務,地研は府県(市)における公衆衛生上の試験検査および調査研究の中心としての役割をもつもので,その主要任務は次の3つとされている。(1)衛生行政上または公衆衛生上必要な各種の試験検査,(2)衛生行政上または公衆衛生向上のため必要な調査研究,(3)保健所検査室等の検査技術者の教育訓練。4.病院検査と公衆衛生検査業務は病院検査業務と公衆衛生検査業務に2大別される。
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