臨時増刊 病院看護婦の行なうべき看護業務
Ⅲ今後のあり方
準備委員会
pp.59-84
発行日 1962年10月1日
Published Date 1962/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911766
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討論においても繰り返されたように,病院の看護業務は,緊密なティームワークであり,看護に関連する協力部門とは互いに十分な理解と配慮がなければその業務は効果が上がらないのである。
看護婦でなくともできる業務の領域はカナリ広く,しかも診療補助業務の複雑化にともなって,ますます拡大する傾向にある。そのため看護業務を分担する看護要員の増加も遠い将来ではないと思う。この時,看護婦,准看護婦,および看護補助者の業務区分が細かい項目にわたって明確になっていなければ,必ず業務は混乱し,ひいては患者への危険も考えられる。ゆえに患者の看護を行ないながら,看護計画を立て,一方これら看護要員に分担させる仕事を点検し,指導する看護婦の責任は大きい。この責任を完全に果たすためにはまず看護婦のひとりひとりが,自らの行なうべき看護業務について,そのひとつひとつの本質を再確認し,正しい看護の理念に立脚した業務を行ないながら,さらにこれを研究する態度をもって,毎日の実務を行なうことが最も大切なことではないだろうか。こういう努力によって養われる適正な判断をもつ看護婦は,やがて優れた管理,指導能力をもつようになるであろう。ここに初めて看護業務は明確化され,また社会的変動にも正しい適応が期待できるのではないだろうか。
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