特集 喘息治療における分子標的治療
3.現適応薬各論 2)抗IL-5抗体:メポリズマブ
原田紀宏
1
1順天堂大学医学部内科学教室呼吸器内科学講座・准教授
pp.2411-2416
発行日 2018年11月1日
Published Date 2018/11/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018112411
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メポリズマブは,抹消血液中および組織中の好酸球を調節する主なサイトカインであるヒトインターロイキン5(IL-5)に高い特異性および親和性で結合する,ヒト化抗IL-5モノクローナル中和抗体である。気管支喘息で最も主要な病態である気道の好酸球性炎症は,2型ヘルパーT細胞(Th2)や2型自然リンパ球(ILC2)などが産生するIL-5,IL-13などのサイトカインにより制御される。IL-5は,好酸球の分化,増殖,生存,浸潤,および活性化を制御するため,好酸球表面に発現するIL-5受容体にIL-5が結合することを阻害するメポリズマブは,好酸球性炎症を抑制させることにより,既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治性気管支喘息患者に対して喘息増悪頻度の減少などの重要な臨床的ベネフィットをもたらす。