特集 喘息治療における分子標的治療
3.現適応薬各論 1)抗IgE抗体:オマリズマブ
田中明彦
1
1昭和大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー内科部門・講師
pp.2407-2410
発行日 2018年11月1日
Published Date 2018/11/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018112407
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喘息に対する世界初の分子標的薬剤は,抗ヒトIgE(免疫グロブリンE)モノクロナール抗体のオマリズマブである。その薬理学的メカニズムは,血中に遊離したIgEに結合することによってIgEのマスト細胞をはじめとする炎症細胞への結合を阻害し,有効性を発揮する。本邦におけるオマリズマブの投与対象は,吸入ステロイドに加え複数の抗喘息薬を使用しているにも関わらず,喘息コントロールが不良の重症喘息患者である。オマリズマブは,従来の治療に抵抗性を示す重症喘息患者の喘息コントロールを改善し,経口ステロイドを減量もしくは中止させることができる。昨今新たに分子標的薬剤が登場しているが,現在も重症喘息に対する治療オプションとして重要な役割を担っている。