特集 インフルエンザの動向とその対策2018 ~ 2019
6.インフルエンザ重症化の機序と対策
藤田次郎
1
1琉球大学大学院医学研究科感染症・呼吸器・消化器内科学講座(第一内科)・教授/琉球大学医学部附属病院・院長
pp.2219-2229
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018102219
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インフルエンザの予後を考慮した際に,肺炎の合併とインフルエンザ脳症が重要である。純インフルエンザウイルス肺炎の病態生理は,インフルエンザウイルスに対する生体の過剰反応であり,サイトカインストームがその機序となる。またインフルエンザウイルス感染症の予後を悪くするものに,二次性細菌感染症がある。特に,① 心血管系,または肺に慢性疾患を有する者,② 糖尿病,腎疾患,ヘモグロビン異常,または免疫不全を有する者,③ 養護老人ホームおよび長期療養施設の入所者,④ 50歳以上の者,においては,肺炎を合併するリスクが高いことが示されている。重症インフルエンザ感染症に対して,病態に応じた対策が求められる。