特集 インフルエンザの動向とその対策2018 ~ 2019
7.新規抗インフルエンザ薬バロキサビル マルボキシル(ゾフルーザ)はどのような薬剤か?
石田直
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1公益財団法人 大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院呼吸器内科・主任部長
pp.2231-2235
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018102231
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バロキサビル マルボキシルは,キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害という作用機序によりウイルスの増殖を抑制する新しい抗インフルエンザ薬である。臨床試験ではオセルタミビルと同等の臨床効果が得られ,ウイルス力価は早期に低下することが示されている。単回の投与で治療が完結することもあり,ノイラミニダーゼ阻害薬耐性ウイルスにも効果が期待できる臨床上有用な薬剤と考えられるが,一方で,投与患者においてアミノ酸変異(I38T変異)が高率に見られることが報告されている。アミノ酸変異したウイルスの増殖能は低いとされ,臨床に及ぼす影響は不明であるが,今後の検討が必要となる。