特集 インフルエンザの動向とその対策2018 ~ 2019
5.抗インフルエンザ薬耐性の実際~臨床ではどうなのか?~
角谷不二雄
1
1富良野協会病院小児科/副院長
pp.2213-2217
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018102213
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ノイラミニダーゼ阻害薬(NAI)耐性に関して注意すべきは,H275Y変異A(H1N1)pdm09ウイルスである。2013/14シーズン,筆者らは富良野においてこの変異ウイルス感染児10例と野生ウイルス感染児18例の経過を観察・比較した。平均解熱時間と平均発熱時間について,両群間に差は認められなかった。また,オセルタミビルあるいはペラミビルを投与した変異ウイルス感染児は,速やかに解熱した。 最近上市されたバロキサビル マルボキシルは,H275Y変異A(H1N1)ウイルスに対する高い増殖抑制作用がin vitroで確認されており,NAI耐性ウイルスに対する臨床的有用性も期待される。