連載 ●副作用・薬物相互作用トレンドチェック
注目論文を読み解く(45)
佐藤宏樹
1
,
澤田康文
2
1東京大学大学院薬学系研究科育薬学講座
2東京大学大学院薬学系研究科育薬学講座 教授
キーワード:
● 眠気,オピオイド中毒,横紋筋融解症,CYP2C19,OATP,ABCG2
Keyword:
● 眠気,オピオイド中毒,横紋筋融解症,CYP2C19,OATP,ABCG2
pp.2850-2856
発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201512152
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〔今月の注目論文のポイント〕 1.パーキンソン病患者において,イストラデフィリンの夕投与で日中の眠気が生じ,朝投与への変更で改善した4症例が報告されている。 2.術後疼痛管理のためオキシコドン(頓用)が投与された透析患者において,投与2日目にオピオイド中毒を呈した症例が報告されている。 3.メランコリー型うつ病のためエスシタロプラムが投与された患者において,投与2カ月後に筋肉痛やクリアチンキナーゼ値上昇など,横紋筋融解症が疑われた症例が報告されている。 4.治療薬物モニタリング(TDM)データを用いた後向き調査において,エスシタロプラムの血清中濃度はオメプラゾールまたはエソメプラゾールの併用で約2倍に上昇したことが報告されている。 5.健康成人を対象とした試験において,リファンピシン反復投与後の同時投与でフェキソフェナジンの血漿中濃度が上昇したことが報告されている。 6.ABCG2 遺伝子変異を持つ患者において,転移性腎細胞がんのためスニチニブを投与10日後に重度の副作用が発現した症例が報告されている。