連載 患者のQOL向上と薬剤師の関わりPART II .服薬指導と病棟活動(125)
静脈栄養の知識を活かした病棟薬剤業務の実践
長谷川裕矢
1
,
野田佳那
1
,
松本利恵
2
,
野田孝夫
3
1社会医療法人 蘇西厚生会 松波総合病院 薬剤部
2社会医療法人 蘇西厚生会 松波総合病院 薬剤部 副部長
3社会医療法人 蘇西厚生会 松波総合病院 薬剤部 部長
pp.1895-1900
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018081895
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静脈栄養は医薬品を使用した栄養管理であり,薬剤師が主体的に関わることで,より充実した管理が可能となる。静脈栄養は各種栄養素の有無やその量だけでなく,投与速度,投与経路など,適正使用のための確認事項は経口および経腸栄養に比べて多い。また症例によっては,キット製剤であっても単一製剤で栄養学的に適切な処方とすることは難しく,種々の製剤を追加して処方設計することが必要となる。さらに在宅中心静脈栄養へ移行する場合は,退院後に使用する医療材料の確認も必要となる。
本稿では,静脈栄養の知識を病棟薬剤業務において活用することにより,処方提案や円滑な在宅中心静脈栄養につなげることができた症例から,薬剤師が病棟でできる栄養管理の一端を紹介する。