特集 免疫チェックポイント療法の新潮流
3.ペムブロリズマブの開発戦略
閌康博
1
,
嶋本隆司
2
1MSD株式会社オンコロジーサイエンスユニット 部長
2MSD株式会社オンコロジーサイエンスユニット 統括部長
pp.1823-1829
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018081823
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抗PD-1(プログラム細胞死-1)抗体KEYTRUDA ®(ペムブロリズマブ)の臨床開発は,2011年4月に米国で悪性黒色腫を含む進行性固形がん患者を対象に開始された。本邦では2016年9月に悪性黒色腫の適応,2016年12月にはPD-L1(プログラム細胞死リガンド1)陽性の非小細胞肺癌の適応で承認を取得,初回治療(PD-L1発現率50%以上),二次治療(PD-L1発現率1%以上)のいずれの非小細胞肺癌でも使用が可能となった。2017年11月には古典的ホジキンリンパ腫,同年12月には尿路上皮癌の適応拡大が承認された。現在,ペムブロリズマブは米国を含む80カ国以上で承認を取得しており,世界では700以上の臨床試験において30種類以上のがんを対象にペムブロリズマブ単独療法のみならず,化学療法,分子標的薬,がん免疫療法薬との併用療法の安全性および有効性に関する検討が行われている。