特集 免疫チェックポイント療法の新潮流
4.PD-L1を標的とする免疫チェックポイント阻害薬~抗PD-1抗体と同じ?違う?~
冨樫庸介
1
1国立がん研究センター研究所腫瘍免疫研究分野/先端医療開発センター免疫TR分野
pp.1831-1835
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018081831
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免疫チェックポイント阻害薬として,抗PD-1(programmed cell death 1)抗体であるニボルマブやペムブロリズマブが悪性黒色腫,非小細胞肺がんなどを中心に効果が証明された。さらにPD-1のリガンドであるPD-L1を標的にした抗PD-L1抗体であるアベルマブ,アテゾリズマブ,durvalumabも臨床の現場に登場してきている。抗PD-1抗体との違いとして,共刺激分子であるCD28シグナルの活性化の違いやPD-L2を阻害しないことによる違いなどが想定されているが,臨床効果としては抗PD-1抗体と抗PD-L1抗体とで,そこまで大きな差があるようなデータは示されていない。今後,臨床の現場で使用され,さまざまな知見が蓄積することで症例ごとに使い分けの進むことが期待されている。