特集 急性白血病の薬物療法のupdate ~最新の診断・治療戦略~
8.治療薬物モニタリング
三浦昌朋
1
,
高橋直人
2
1秋田大学医学部附属病院・教授/薬剤部長
2秋田大学大学院医学系研究科血液腎臓膠原病内科学講座・教授
pp.1244-1248
発行日 2018年5月1日
Published Date 2018/5/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018051244
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治療薬物モニタリング(TDM)は薬物治療によるアウトカムを,治療の途中(プロセス)から予測する治療戦略であり,早期に治療を再考し,より優れた治療成績を収めることが目的である。主に血中濃度のトラフ値(服薬前採血)で評価するが,これを一定の範囲内に収める必要がある。十分な効果が得られない血中濃度の領域である無効域と,効果が期待される領域(有効域)の境界にあたる最小有効濃度(MEC),副作用が発現する高濃度領域(中毒域)と有効域の境界にあたる最小中毒濃度(MTC)の範囲内に収める。急性白血病の治療は現在,イマチニブ,ダサチニブ,ポナチニブの使用が可能であり,おのおのの薬剤をこの2つのマーカーの中に収める治療を行うことで,より安全かつ効率的な治療を実施できる。