特集 急性白血病の薬物療法のupdate ~最新の診断・治療戦略~
5.ポナチニブ:国内承認(治療抵抗性Ph陽性ALL)
佐々木宏治
1
1Assistant Professor Department of Leukemia The University of Texas MD Anderson Cancer Center〔MDアンダーソン癌センター白血病科〕
pp.1229-1233
発行日 2018年5月1日
Published Date 2018/5/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018051229
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ポナチニブは第三世代チロシンキナーゼ阻害薬としてT315I変異を含む広範なBCRABL(breakpoint cluster region-abelson)1変異に活性を持ち,フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)ならびに慢性骨髄性白血病(CML)に対して本邦で2016年12月に保険収載され,利用可能となった。Ph+ALLは新規発症時に25%,再発時には70%にT315I変異の存在が認められ,治療抵抗性ならびに再発の一因と報告されていた。ポナチニブによる高い治療効果が期待されるものの,心血管イベントの頻度の上昇が報告され,臨床医には奏効程度に応じた減量の実施,ならびに心血管危険因子の厳格な管理が求められる。